書誌詳細情報
世界の発酵食をフィールドワークする

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世界の発酵食をフィールドワークする
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解説
世界各地で、農畜水産物を長期に保存したり、うま味を醸し出す発酵食を調味料として利用したり、栄養豊かな発酵食を主食としたりする人間の営みにフォーカスを当て、地域の食文化における発酵食の位置づけ、発酵食と社会との関係を明らかにする。取り上げる地域は、日本、モンゴル、カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマー、ネパール、エチオピア、そしてアフロ・ユーラシアの乳加工品をつくる地域とし、インジェラ、エンセーテ、納豆、ナレズシ、塩辛、魚醤、後発酵茶、馬乳酒、チーズ、バター、醸造酒、餅麹などの発酵食を論じる。
著者
1966年、北海道生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科教授。1992〜94年まで青年海外協力隊員としてラオスで活動。筑波大学大学院博士課程地球科学研究科地理学・水文学専攻中退。熊本大学助教授などを経て現職。博士(理学)。専門分野は地理学。著書『納豆の起源』(NHKブックス)、『納豆の食文化誌』(農文協)など。
目次
序章 人類と発酵食
第1部 主食としての発酵食
1章 酸っぱさに憑かれた人びと――エチオピアのパン類をめぐって
2章 酒を食事とする暮らし――ネパールとエチオピアの人びと
コラム1 酵母:人類のために進化し続けてきた微生物
第2部 副食としての発酵食
3章 牧畜民の発酵乳加工とその利用
4章 魚の発酵食をめぐる民族の接触と受容――カンボジア周縁地域を事例に
コラム2 生業と「農村食」:発展途上国における農村生活と食の変化
第3部 調味料としての発酵食
5章 近代化・グローバル化による食と味の変容――タイの調味料文化
6章 ラオスの味,パデークの科学
7章 納豆はおかずか調味料か?――日本と東南アジアの納豆の地域間比較
コラム3 納豆菌:その細菌分類学上の位置づけ
第4部 嗜好品としての発酵食
8章 茶を漬けて食べる――北部タイの「噛み茶」文化とその変容
9章 モンゴル国の馬乳酒「アイラグ」
10章 東南アジアの餅麹になぜ新大陸起源の唐辛子が用いられるのか
コラム4 乳酸菌:食を支える微生物
終章 フィールド発酵食品学の創出に向けて
解説(詳細)
【関連書籍】
「納豆の食文化誌」
「麹本 KOJI for LIFE」
「農家が教える 発酵食の知恵」
「農家が教える 続・発酵食の知恵」
「諸国ドブロク宝典」
「菌の絵本 全6巻」
「地域食材大百科10 こうじ、味噌、醤油、納豆、テンペ」
「フォーラム 人間の食1 食の文明論」
【雑誌】
「うかたま」
「季刊 vesta」