書誌詳細情報
農業法研究53号

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農業法研究53号
この本のジャンル
解説
本格的な人口減少社会に突入し、土地の資産価値が、とくに農村で急速に失われている。同時に、土地への関心を失った不在地主の増加も問題化している(政策的にことさら問題「化」されている傾向もあるが)。山林で先行し、農地がそれを追いかけているこの問題は、都市でも空き家の増加という類似の問題となり、都市の縮退に伴う縁辺部の土地利用需要の低下が進んでいる。利用価値や資産価値を失い、現実的な所有の意味が空洞化している土地が増加し、名目的な土地所有すらも曖昧になってきている現状を前に、土地所有のあり方を問い直す。
著者
安藤光義(東京大学)・三木敦朗(信州大学)・大西宏治(富山大学)・武本俊彦(新潟食糧農業大学)・楜澤能生(早稲田大学)・長友昭(拓殖大学)・前田剛志(農林水産省保険課長)・亀岡鉱平(農林中金総合研究所)・熱田 尊(農林水産省大臣官房文書課)
目次
T 日本農業法学会2017年度年次大会
シンポジウム「土地所有のあり方を考える―不在地主・都市の縮退・利用規制―」
企画趣旨説明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安藤 光義
1 農地の不在地主問題の発生と現状―既存研究の整理―・・・・・・安藤 光義
2 山林の不在地主の問題化と対策・・・・・・・・・・・・・・・・三木 敦朗
3 富山市のコンパクトなまちづくりと現状・・・・・・・・・・・・大西 宏治
4 地域計画課長は農地制度に関して何をしたのか〜日本社会の拡張期から収縮期への転換点において〜 ・・・・・・・・・・・・・武本 俊彦
5 改めて土地所有権を考える――農地所有権の身分論的再構成覚書・・・・・・・・・・・ 楜澤 能生
総合討論
U 日本農業法学会2017年度研究会
1 所有者の意思の把握が難しい農地の利用をめぐる論点と課題――所有者不明土地問題をめぐる立法政策と現行法の解釈からの一考察
・・・・・・・・・・・・長 友昭
2 収入保険制度の導入と農業災害補償制度の見直しについて
・・・・・・・・・・・・前田 剛志
V 動向
1.学界動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長 友昭/亀岡 鉱平
2.農林水産業に関する立法動向・・・・・・・・・・・・・・熱田 尊(農林水産省大臣官房文書課)
解説(詳細)
【農業法研究】
「農業法研究57号 新「食料・農業・農村基本計画」と農村政策」
「農業法研究56号 新「食料・農業・農村基本計画」と経営継承の課題」
「農業法研究55号 放射能汚染を乗り越えて、なりわいとふるさとを取り戻す」
「農業法研究54号 地域における自然・社会資源の維持管理主体」
「農業法研究52号 農山漁村再生への道筋―国の政策・制度と市町村の現実」
「農業法研究51号 戦後農政の転換と農協・農業委員会制度改革等の検証」
「農業法研究50号 農地・農業委員会制度の改変と地域からの検証/『農業法研究』創刊50号に寄せて」
「農業法研究49号 農漁村地域の復興」
「農業法研究48号 都市農業と土地制度」
「農業法研究47号 被災現場から問う農地と農業・農村の復興」
「農業法研究46号 日本の「直接支払い」のあり方を問う」
「農業法研究45号 改正農地法の地域的運用」
「農業法研究44号 いま農地制度に問われるもの」
「農業法研究43号 現場から見た「戦後農政の大転換」」
「農業法研究42号 直接支払制度の国際比較研究」
「農業法研究41号 農業・農村の現状と集落営農への期待」
「農業法研究40号 農業・農村の担い手像と家族農業経営の展望」
「農業法研究39号 農業・農村の担い手像と地域自治」
「農業法研究38号 農地・農村整備の今日的課題」
「農業法研究37号 食の安全と環境、農業」
「農業法研究36号 WTO体制と日本農政改革のゆくえ」