書誌詳細情報
聞く力、つなぐ力

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この本のジャンル
解説
県という行政機関(政策を遂行させる側)の一員である普及指導員だが、一方で農業の専門家としてどのように農家に寄り添い、農家及び農業の復興(振興)にどのように関わってゆくのか、大震災は、普及指導員のあり方を問う機会ともなった。震災の現場で苦闘した普及員の実践を聞き書きして編集した本書は、読者を感動ともに普及員としての生き方に共感を覚え、普及員の存在価値を再確認することになるだろう。
著者
古川 勉:1955年生まれ。1978年から岩手県職員。岩泉農業改良普及所、県農政関係課、久慈農業改良普及センター、県農業研究センター等を経て、2011年4月から2014年3月まで大船渡農業改良普及センター所長。2016年3月岩手県職員を退職。著書に『3・11 私のアーカイブ――東日本大震災津波から1年の記録』(私家版)/行友 弥:1962生まれ。農林中金総合研究所顧問、特別研究員。元毎日新聞社経済部編集委員。著書に『東日本大震災 農業復興はどこまで進んだか 被災地とJAが歩んだ5年間』(共著、家の光協会)/山下祐介:1969年生まれ。首都大学東京准教授。都市社会学・地域社会学。著書『「復興」が奪う地域の未来――東日本大震災・原発事故の検証と提言』(岩波書店)、『人間なき復興――原発避難と国民の「不理解」をめぐって』(共著、ちくま文庫)、『東北発の震災論――周辺から広域システムを考える』(ちくま新書)ほか/宇根 豊:1950年生まれ。農と自然の研究所代表。元福岡県農業改良普及員。日本農業普及学会常任理事。著書『愛国心と愛郷心――新しい農本主義の可能性』(農文協)、『農本主義のすすめ』(ちくま新書)、『人間が知らない田んぼの世界 生きもの語り』(家の光協会)ほか。
目次
【聞き書き】東日本大震災と普及指導委員
岩手県 大船渡農業改良普及センター
宮城県 石巻農業改良普及センター
仙台・亘理農業改良普及センター
福島県 県北農林事務所伊達農業普及所
相双農林事務所農業振興普及部
危機のなかで起ち上がった普及指導員たち
前例や枠組みにとらわれない普及活動を 古川勉
寄り添う、支える、ともに進む 被災地における普及指導員の役割 行友弥
農の持続性は誰のために、誰の努力で支えられるのか 山下祐介
内からのまなざしの大切さ 普及指導員の独自の世界が示された 宇根豊