書誌詳細情報
愛国心と愛郷心

書誌詳細情報
愛国心と愛郷心
この本のジャンル
- 農文協 公開書誌 >> 教養書 >> 地域・環境・エコロジー
著者
宇根 豊(うねゆたか)
1950年長崎県島原市生まれ。福岡県農業改良普及員在職中の1978年から減農薬運動を提唱。1989年二丈町で新規就農。2000年福岡県職員を退職。2001年「農と自然の研究所」設立、代表理事。2010年同解散。生き物文化誌学会理事。農学博士。著書『百姓学宣言』(農文協)『農本主義へのいざない』(創森社)『農本主義が未来を耕す』(現代書館)。
目次
序章 私たちは「国民」になった
第1章 「食料」の誕生
第2章 「日本農業」の誕生
第3章 資本主義から農本主義へ
第4章 百姓は自然とともに近代を撃つ
第5章 農本主義者はどう生きたか
第6章 農本主義の可能性
終章 情愛のふるさと
解説(詳細)
百姓である著者から見れば、愛国心(ナショナリズム)よりふるさと(在所)の田んぼや自然への情愛=愛郷心(パトリオティズム)が先にあり根源的なものだ。五・一五事件に関与した橘孝三郎など、かつての農本主義者たちも思想の出発点は愛郷心だった。しかしそれらが国家主義に取り込まれていったのはなぜか。いまからの時代にまっとうな愛郷心で愛国心の押しつけを相対化することは可能か。そこにふるさととこの国の山河を守る道もある。狭量なナショナリズムに警鐘を鳴らす在野の思想。
■推薦
宇根さんに感心させられるのは、底の方、奥の方へと徹底して考える点だ。しかも大袈裟で狂信的なことは言わない。農が最後に踏み止まるのはここで、そこを静かに死守すると言う。その声は農本主義といえば顔をしかめる人、農と関わりのない人の心の底にも響く力を持っている。彼とともにもう一度、農というトポスについて考えてほしい。
渡辺京二(思想史家)
同じジャンルの本をさがす
- 農文協 公開書誌 >> 教養書 >> 地域・環境・エコロジー