書誌詳細情報
放射性廃棄物のアポリア

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放射性廃棄物のアポリア
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- 農文協 公開書誌 >> 教養書 >> 地域・環境・エコロジー
解説
30〜50年前に放置された鳥取・岡山県境の人形峠ウラン残土撤去運動をになった著者が、その体験と視点から福島第一原発事故の実態を追求すると同時に、チェルノブイリとスリーマイルの事故の意味を、福島第一原発事故に引き寄せて再考。こうした核惨事に至るはるか以前から、原発は地域の自然や農林漁業と共存できないことを見抜き、粘り強い抵抗を続けてきた全国津々浦々の農家や漁師、地域住民の闘いにもあらためて注意を向ける。
著者
1941年鳥取市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。元共同通信社勤務。ウラン残土市民会議運営委員。さよなら島根原発根ネットワーク会員。四日市公害(1960年代)、川内原発建設反対(1970年代)、青谷原発立地阻止(1980年代)、人形峠ウラン鉱害(1980年代末から今日まで)などに取り組む。
目次
第一章 フクシマで何が起きたか――世界を震撼させた同時多発の巨大事故
1 メルトダウンからメルトスルーへ
2 地震列島の上に立つ原発の危険性
3 放射能の大量放出と国内国外への拡散
4 ふるさとを追われる住民と子どもたちの被ばく
5 大地・上水水・農産物・畜産物・水産物の汚染
6 高濃度の放射能汚染水による深刻な海洋汚染
第二章 あとは野となれ山となれ―― フクシマと人形峠と核廃棄物を結んで
1 人形峠のウラン採掘とウラン残土の放置
2 ラドンによる被ばくと肺ガンの多発
3 人形峠と福島の汚染の状況を比較して
4 福島原発事故で汚染された大地の環境復旧計画
5 福島原発事故の廃炉と放射性廃棄物の行くえ
6 使用済み核燃料と高レベル放射性廃棄物
7 使用済みの中間貯蔵と高レベルの最終処分
8 人形峠に立ち返って核のゴミ戦争を考える
第三章 右であれ左であれわがふるさと――日本の原子力開発と反原発運動の現在
1 漁民の海戦で始まった日本の反原発運動
2 もうひとつの戦争としての原子力の平和利用
3 地域の論理が中央の論理を超えるとき
4 政党や労組と一線を画する草の根の住民運動
5 ピラミッド型階層構造とネットワーク構造
6 ニューウェーブとオールドウェーブ
7 チェルノブイリ後の反原発と脱原発
8 原子力産業の巻返しと反原発運動の新展開
9 フクシマ以後の状況と課題
第四章 チェルノブイリの墓銘碑――地球を駆け巡った核暴走の巨大事故
1 核暴走した原子炉が大爆発して炎上
2 決死隊による事故処理と膨大な原発難民
3 地球を駆け巡った放射能と汚染食品
4 女性と赤ん坊を襲った放射能の爪跡
5 急性障害の犠牲者と緩慢なるジェノサイド
第五章 スリーマイルの残骸――全米をパニックに陥れたメルトダウン事故
1 あわやチャイナ・シンドローム!
2 一四万四〇〇〇人が全米二一州に逃げ出す
3 メルトダウンで放出された大量の放射性物質
4 痛めつけられた動植物と死にすぎた赤ん坊
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