書誌詳細情報
脱原発の大義(農文協ブックレット5)

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脱原発の大義(農文協ブックレット5)
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目次
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まえがき
■PART1 地域を踏み台にした原発国家の形成と破綻
原発絶対体制の完成と崩壊
いのちと地域を守る価値転換ヘ ルポライター 鎌田 慧
踏み台にされた東北 エネルギー・産業政策の歴史にみる国家と東北
京都大学大学院教授 岡田知弘
現代の暴力装置=原発と自由貿易に騙されないために 弱者の視点・エントロピー経済学で考える
元理化学研究所研究員、前名城大学教授 槌田 敦
終りの始まりが始まっている 原発による地域破壊の歴史に終止符を
京都大学大学院教授 諸富 徹
■PART2 農山漁村の現場から
耕すことで農は復興への可能性を拓いた 春の苦悩に寄り添って
茨城大学名誉教授 中島紀一
"陸に上がった漁師"の無念と決意 属地性を否定された沿岸漁業と漁村の再生シナリオを考える
(株)漁村計画代表 富田 宏
森林の放射能汚染の現状と今後の課題
(独)森林総合研究所立地環境研究領域長 金子真司
急がれる放射能汚染マップの作成と安全検査の体系化 原子力災害と福島県の現状・課題・展望
福島大学准教授 小山良太/福島大学特任助教 小松知未
■PART3 未来へつなぐ
個人リスクと社会リスクを克服するために 食・農・環境からみる原発と消費者・生産者
國學院大學教授 古沢広祐
有機農業がつくる、ふくしま再生への道
福島県有機農業ネットワーク代表 菅野正寿
排除と分断に陥らない運動へ 「食の安全」と「生産基盤の維持・再生」の両立をめざして
(株)大地を守る会 戎谷徹也
これからの産直提携とは 生産者と消費者の連帯をまもるために
生活クラブ連合会会長 加藤好一
〈仮想授業2012>子どもと話そう原子力発電と原発災害 小学3年家庭科の授業より
おもしろ学校理事長 名取弘文
当事者のことを考えるとはどういうことか 「忘却の構造」の再生産をいかに対象化できるか
東京大学大学院 関沼 博
「電力植民地」から「オープンな地域社会産業としてのエネルギー体系」へ 石井彰氏の「再生可能エネルギー限界論」にも触れて
環境エネルギー政策研究所代表 飯田哲也
山下惣一のニラム・カラム・コラム 農民作家 山下惣一
1 原子力ムラ
2 専門家
3 共同幻想
4「むら」の原型
5「むら」の範囲
6「むら」の知恵
7 東京に原発を!
8 真実の真実
9 貧者の一灯
10 希望の灯
解説(詳細)
原発は立地する地域の暮らしと産業の循環を壊し、地域経済と自律性を奪ってきた。地域に根ざした農林漁家が安心していきいきと働ける環境を取り戻し、農山漁村が培ってきた、生産し食べつなぐ知恵と技を守る―それこそ脱原発がめざすべきものであり、消費者、ひいては持続可能な社会の真の「安心」へとつながっていく。本書では、原発そのものの安全論議に巻き込まれず、地域の力、日本の豊かなエネルギー資源の再発見、利活用で、原発なき地域づくりへむけて、および今なお続くふるさと喪失の危機を打破するための筋道を明らかにする。
■関連書籍
PDF版・「子どもと話そう原子力発電所」
PDF版・「核の世紀末」
PDF版・「海と魚と原子力発電所」
「新石油文明論」
読者カード
マスメディアでは殆ど紹介されることのない提言等がまとまって発行されたことに感謝します。「復興の大義」と併せて 熟読中です。今後も変わらぬスタンスで出版を!(神奈川県・63歳)
「地球環境とサステナ」の最重要テーマである原子力とエネルギー戦略をライフワークとして取り組んでいる最中に3.11東日本大震災と福島第一原発の大惨事レベル7が起こった。開沼論文の指摘は原発問題の根源を顕在化させている今、市民一人一人の確かなリテラシーと構想力が問われている。脱原発を可能にするライフスタイル、持続可能社会の構築を目指していきたい。(茨城県・65歳)
私は原発事故の被災者となり難民となり一瞬にして積み上げてきたすべてを吹き飛ばされてしましました。満身の怒りを覚えます。原子力事故と原発立地農漁村のテーマを深く深く長く長く風化させることなく追跡して知らせてください。(福島県・58歳)
<まえがき>は珠玉の日本語である。日本の風土が生み出す日本語は、こういう思想を表現するためにこそ創られてきたのだ―とこころにしみた。誰にも"ンダンダ"と合点できる話をむつかしく説くのではなく、みんながワカリニククさせられている資本のカラクリ・コンタンを易しい話でワカル本が欲しい。(三重県・81歳)