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復興の大義(農文協ブックレット3)

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復興の大義(農文協ブックレット3)
この本のジャンル
解説
"単なる復旧にとどまらない創造的復興"は今や流行り言葉のひとつになった観があるが、がれきの処理や仮設住宅の防寒対策すら迅速に支援できない政府やその陰の支配人が何をかいわんやである。被災した人びとは多くを望んでいるのではない。元の仕事、元の暮らしに戻れることがまず第一だ。そのようなささやかな願い、復旧に、「単なる」という形容詞を付けることによって被災者の揶揄し、もってTPP推進とセットの創造的復興論を対置する。そのような、災害をビジネスチャンスと捉える不道徳を許してはならない。
著者
■著者紹介
高史明(作家)山口二郎(北大教授)/鈴木宣弘(東大教授)/宮入興一(愛知大学教授)内山節(哲学者)中野剛志(京都大学准教授)横山英信(岩手大学教授)富田宏(株)漁業計画代表、岩手漁連、宮城漁協、全漁連、大田原高昭(北大名誉教授)高寄昇三(甲南大名誉教授)鷲谷いづみ(東大教授)富岡幸雄(中央大名誉教授)工藤昭彦(東北大)
目次
●PART1 座談会 徹底解剖 政府・財界の「災害資本主義」路線批判
「復旧」をないがしろにした「創造的復興」論の欺瞞と不道徳
北海道大学大学院教授 山口二郎/東京大学大学院教授 鈴木宣弘/愛知大学大学院教授 宮入興一
●PART2 歴史と主体を抜きにした復興はない
文学的なグランドデザインを 内山節
一人一人の生存権・主体性を等閑視した復興論は「新自由主義的全体主義」である 横山英信
千年の価値を見据えた漁業・漁村の復興とは 富田宏
漁協を核とした「漁業版集落営農」による東北漁業の再建構想 楠本雅弘
漁協・漁業者はなぜ「水産特区構想」に反対するのか 服部郁弘/大井誠治/阿部力太郎
総合農協だからできる復旧復興支援 太田原高昭
「農の世界」から発信する世直し的改革へのシグナル 工藤昭彦
食料供給基地から自治と共生の郷へ 小泉浩郎
●PART3 誤った復興論は誤った未来を拡大再生産する
復興を遅らせる政策哲学の貧困 中野剛志
復興に増税は必要ない 富岡幸雄
埋蔵金の全額支出と大胆な建設国債発行で国難克服を! 菊池英博
市町村主権の確立と道州制 高寄昇三
「さとやま」と原発 鷲谷いづみ