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年報 村落社会研究46 鳥獣被害―<むらの文化>からのアプローチ

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年報 村落社会研究46 鳥獣被害―<むらの文化>からのアプローチ
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解説
鳥獣被害は、中山間地で集落の存続を左右するような問題である。近年被害が増えた要因について、人工林の増加、耕作放棄地の増加等々さまざまな指摘があるが、実は近世〜近代、鳥獣害はずいぶん激しかった。かつては害を与える鳥獣についての知識は生きるために必要不可欠だった。本書は、鳥獣の数を制限したり害を避けたりしつつ鳥獣と共存していた「むらの文化」が失われたことが一番大きな本質的な問題ではないのかという視点から、鳥獣と関わる「むらの文化」の現代的創造という立場に立ち、効果的な対策の政策や組織的展開を考える。
著者
■著者紹介
日本村落研究学会企画・牧野厚史(まきのあつし)編(なお村研の編集委員長は理恵子[つる りえこ])。執筆者=牧野厚史(まきのあつし)、野本寛一(かんいち)、藤井弘章(ふじいひろあき)、藤村美穂(ふじむらみほ)、高橋勅徳(たかはしみさのり)、桑原考史(くわばらたかし)、弘重穣(ひろしげゆたか)、岩間剛城(いわまこうき)、ほか
目次
はじめに
T 災いを防ぐ生活知
鳥獣害をめぐる民俗構造
カワウとつきあう民俗技術――愛知県美浜町上野間・鵜の山の歴史民俗学的考察
U 現代農山漁村の鳥獣害問題
ムラの環境史と獣害対策――九州の山村におけるイノシシとの駆け引き
地域産業の展開と野生生物資源管理組織の構築への取り組み――座間味村のダイビング事業者による「獣害」の発見とエコツーリズムの導入
V 被害問題の実態把握と政策
住民主体のイノシシ農業被害対策のための地域支援組織のあり方――栃木県の二地域を事例に
W 総括
文化としての鳥獣被害――村落研究からの提言
研究動向
史学・経済史学の動向/農業経済学の研究動向(2007〜2008年)/農業経済学の研究動向(2009年)/社会学・農村社会学の研究動向
大会記事
解説(詳細)
■関連書籍
「これならできる獣害対策」
「イノシシから田畑を守る」
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「山と田畑をシカから守る」
「ニホンザル保全学」
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