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地域の再生18 林業新時代

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地域の再生18 林業新時代
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解説
1章では佐藤が林業経済学の立場から農林業センサスで「自伐林業」の抽出を試み、「自伐林家」の政策的な位置づけを考察。また、専業的な農林家の活動を多角的に紹介することで、「自伐林家」が果たしている山村社会での役割の大きさを指摘。2、3章では同じく林業経済学の立場で興梠が「自伐林業」を林業展開の2つの道の一つとして捉えるとともに、林家グループの新たな組織化の動きに社会性の観点から注目。4章では環境社会学者の家中が、「土佐の森・救援隊」はじめ多くの「自伐林業」運動の現場に参加、うねりの動的把握に努めた。
著者
佐藤宣子(さとう・のりこ)
九州大学大学院農学研究院森林政策学研究室 教授
興梠克久(こうろき・かつひさ)
筑波大学生命環境系森林社会学研究室 准教授
家中 茂(やなか・しげる)
鳥取大学地域学部地域政策学科 准教授
目次
第1章 地域再生のための「自伐林業」論
1 「自伐林業」論の背景
2 再生プランの論争点――山村振興と「自伐林家」の位置づけ
3 農林業センサスからみる「自伐林家」の素材生産と農業生産との関連
4 専業的な「自伐林家」が輝く山村
5 補論 林業分野での女性活動の実態と可能性――自伐林業を地域再生に繋げるために
6 まとめにかえて――「自伐林業」の可能性
第2章 再々燃する自伐林家論――自伐林家の歴史的性格と担い手としての評価
1 本章のねらい
2 農林複合経営の特徴――持続性視点
3 低コスト林業への「二つの道」――生産性視点
4 林家経済論の展開と第3の研究視点――社会性視点
5 自伐林家は日本林業の担い手か?――静岡県における実証的研究
6 森林所有者の「責務」と「楽しみ」――高千穂森の会
第3章 自伐林家による林地残材の資源化――「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」を事例に
1 研究の目的と方法
2 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の仕組み
3 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の類型区分と活動実態
4 「土佐の森」方式・「木の駅プロジェクト」の課題と展望
第4章 運動としての自伐林業――地域社会・森林生態系・過去と未来に対する「責任ある林業」へ
1 土佐の山間から――始まりへの予感
2 日本の森林の現実と研究及び政策との乖離
3 NPO法人「土佐の森・救援隊」を淵源とする「自伐林業」運動の全国への波及
4 自伐林業運動の展開
5 未来につなげる「責任ある林業」