書誌詳細情報
農の福祉力

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農の福祉力
この本のジャンル
解説
農の本来的特質である生命の再生産と創造性は福祉を支える力となる。園芸療法や園芸福祉が注目されるなか、高齢化が進んだ農業・農村の先進性を福祉の視点から評価。鳥取県旧東泊町のJAを母体にした介護施設や長野県の厚生連佐久総合病院を中心としたエリアでの農村医療・有機農業・生ゴミコンポスト化の実態分析に住民からの意識調査・ライフヒストリー調査をまじえて、農業と医療・福祉・介護が一体となった地域社会(アグロ・メヂィコ・ポリス)づくりを構想する。
著者
池上甲一
1952年生まれ。京都大学大学院農学研究科修了。農林経済学専攻。京都大学農学部助手、講師、近畿大学農学部助教授を経て、1999年より近畿大学農学部教授。専門は農業経済学、環境政策学。著書『持続的農業農村の展望』(共編・大明堂)『むらの資源を研究する』(編・農文協)『食の共同体』『食と農のいま』(共編・ナカニシヤ出版)ほか。
目次
●第1章 福祉と福祉力
1 福祉の語義を探る
2 ウェルフェアからウェルビーイングへ
3 ウェルビーイングとしての福祉を捉えるフレームワーク
4 幸福と国民総しあわせ指標(GNH)
5 なぜ農業・農村が福祉力を持つのか
●第2章 日本における福祉政策の特質と高齢社会の問題構図
1 日本における福祉政策の特質
2 日本社会の高齢化
3 高齢化の地域差と家族構造
4 高齢社会を先取りする農村
●第3章 平地農村の高齢者介護意識-鳥取県旧東伯町を対象に
1 旧東伯町の地域特性と高齢化の状況
2 高齢者および要介護高齢者の存在態様と高齢者の生活
3 高齢化に関する困りごと・不安と老後の生活像
4 介護と家族に関する意識
5 農村におけるケア施設の強みと課題
6 ケアハウス入居者のライフ・ヒストリー
●第4章 農村医療運動と地域ケア
1 長寿県長野の福祉的基盤
2 長野県旧八千穂村における全村健康管理活動の意義
3 農村医療運動と佐久病院の展開
4 農民たちの介護意識と地域ケア
5 再び地域の中へ、地域とともに ――佐久病院再構築問題の意味するところ
●第5章 佐久病院を中心とするアグロ・メディコ・ポリスの地域的展開
1 アグロ・メディコ・ポリスとは
2 旧臼田町の地域特性
3 多彩に広がる農村文化活動
4 有機農業と生ごみコンポスト化が生み出す地域環境認識と地域食文化の形成
5 アグロ・メディコ・ポリスの形成とその担い手
解説(詳細)
■関連書籍
「福祉のための農園芸活動」
「社会園芸学のすすめ」
「DVD 高齢者やすらぎ農園で青空デイサービス(市民農園 2巻)」