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人間選書231 水辺遊びの生態学 ★在庫僅少

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人間選書231 水辺遊びの生態学 ★在庫僅少
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- 農文協 公開書誌 >> 人間選書 >> 地域・環境・エコロジー
解説
「絶滅危惧種」はメダカではなく水辺で遊ぶ子どもたちではないか。琵琶湖周辺の祖父母世代からの綿密な聞き取りと絵で生き生きと再現された「生き物つかみ」の文化。当時の子どもたちはなぜ、あれほどまでに魚とりに熱中したのか。その文化は父母世代、孫世代に伝えられているか。遊びの「生態」と自然の生態の変化を同時に浮き彫りにする画期的な報告。水辺環境の保全や環境教育に新しい視点を与える本。コンピュータのロールプレイングゲームと生き物つかみを比較するなど、遊び論としてもおもしろい。
著者
嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)
執筆時、滋賀県立琵琶湖博物館総括学芸員。京都精華大学教授などを経て、2006年より滋賀県知事(現在2期目)。『生活世界の環境学』(農文協)、『水と人の環境史』(共著、御茶の水書房、1991)など。
遊磨正秀(ゆうま・まさひで)
執筆時、京都大学生態学研究センター助教授。現在、龍谷大学理工学部教授。『ホタルの水、人の水』(新評論、1993)、『ウェットランドの自然』(共著、保育社、1995)など。
解説(詳細)
第1章 記憶を記録に-三世代水辺遊び調査の方法
1.水辺で遊ぶ子どもは絶滅危惧種?
2.研究は地域の人と共同で
3.子どもが聞き役<三世代対話型アンケート調査>
4.水辺遊びの多様性<春からはじまる生き物つかみ>
5.名前が通じない<「生き物つかみポスター」の発案>
6.三世代、6000人の経験から
7.「生き物つかみ」のなりたちと本書の構成
第2章 魚つかみ文化を再現する
1.浦島さんのビワマスつかみと高橋さんのヒヤケ
2.何でも道具に<道具は手、足の延長>
3.手づくり道具から購入品へ<遊び道具の変遷>
4.食べる楽しみが失われる<水辺への信頼のゆらぎ>
5.伝達されていない生き物の呼び方<子どもは名づけの名人>
6.遊び仲間<友達集団が少なくなる>
第3章 なぜ、魚つかみはおもしろいのか?
1.遊びの意識をどう調べる
2.「大きい」ものをたくさん「つかむ」ことがおもしろさの真髄
3.「こわい」ことも遊びの経験の一部
4.しかられた理由は?
5.「おもしろさ」と「こわさ」は紙一重
6.今の子どもも遊びたがっている、親も遊ばせたがっている
第4章 子どもが遊んだ水辺とそこの生き物たち
1.子どもたちが遊ぶ身近な水辺<川辺が人気>
2.水辺のようす<土手や草がなくなる>
3.子どもたちの水辺に憩う生き物たち<コイが減り、ザリガニが増える>
第5章 生き物と子どもたちの水辺
1.自然水系は不安定
2.国土開発による人口水系の拡大
3.自然水系よりもはるかに広大な人口水系
4.人口水系にすみついてきた生き物たち
5.人口水系にうまく適応したゲンジボタル
6.近年の水系の変化と生物相の変化
第6章 遊び、子ども、社会
1.なぜ「故郷」がうたいつがれるのか?<高野辰之の企て>
2.「故郷」とドリカムの「晴れたらいいね」
3.語られていない日常生活と原風景
4.遊び研究所の哲学と心理学<遊びとは何か?遊び研究の系譜から>
5.遊びにみる「フロー経験」の意味
6.コンピューターゲームと生き物つかみ
第7章 水辺に子どもの姿を呼び戻すには
1.水辺の遊びをめぐる3「K」症候群
2.「自然の衰退」は「精神の衰退」か?
3.水辺の遊び文化の復権に向けて<子どもたちを野に放とう!>
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