書誌詳細情報
日本農書全集65 開発と保全2 川除停止論・積方見合帳・治河要録・通潤橋仕法書

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日本農書全集65 開発と保全2 川除停止論・積方見合帳・治河要録・通潤橋仕法書
この本のジャンル
解説
自然を対立物としてではなく共生の対象としてとらえ、勝つのではなく負けないことを主眼とした江戸時代の環境保全型の治水・治山・土木工事。富士川など東海三川の河川改修、熊本の石橋「通潤橋」の施工法等の実際。
解説(詳細)
●「川除仕様帳」小林丹右衛門
古来から、治水のために洪水を強制的に河川内に閉じ込める工夫をしてきた。が、洪水に勝つより負けない工夫が大事だと、川の性格の観察、工事の心得にも言及しつつ、堤防の築き方など甲州流の正統ともいうべき具体策を述べる。(翻刻・現代語訳 安達満)
●「積方見合帳」大畑才蔵
紀伊国伊都郡学文路村の庄屋・大畑才蔵が、和歌山藩の藩命を受け、領内の溜池・用水路の築造のための検分、測量調査を行ない、普請計画を策定。本書はその記録で、才蔵の地方巧者としての面目が躍如としている。(翻刻・現代語訳 林 敬)
●「治河要録」著者未詳
幕末、江戸幕府によって編纂された河川改修技術の集大成。関東・東海・甲州地方の大河川の特徴と改修技術、改修の経緯が記されている。「竜王村・西八幡村堤者信玄堤と申候て」と、信玄堤についての記述も見える。(翻刻・現代語訳 知野泰明)
●「通潤橋仕法書」布田保之助
肥後国矢部手永(郡)の総庄屋による、石橋・通潤橋と、その上に設置された送水用の石樋の設計・工法書。克明な図面が示され、設計・施行のようすがよくわかる。通潤橋の架橋で、不毛の白糸大地に100町歩の水田が開かれた。(翻刻・現代語訳 山口祐造)