書誌詳細情報
食べるとはどういうことか

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食べるとはどういうことか
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解説
藤原辰史さんは、人間をチューブに見立てたり、台所や畑を含めて食をとらえるなど、「食べる」ということをめぐって斬新な視点を提供している。本書では、「食べる」ということをめぐる3つの問いを軸に、中高生とともにその本質に迫っていく。そのなかで、現代というのは、じつは、食べる場と作物や動物を育てる場(動物を殺す場含む)が切り離された社会であることが浮かび上がってくる。それでは未来の食はどうなっていくのか。藤原さんと中高校生の白熱した議論を臨場感たっぷりに再現する。
著者
1976(昭和51)年北海道生まれ、島根県育ち。島根県立横田高校、京都大学総合人間学部卒業。2002年京都大学大学院人間・環境学研究科中途退学。京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て、2013年4月より京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業技術史、食の思想史、環境史、ドイツ現代史専攻・農業史。著書『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005年)、『カブラの冬』(人文書院、2011年)、『ナチスのキッチン』(水声社、2012年/増補版共和国、2016年)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館、2012年)、『トラクターの世界史』(中公新書、2017年)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書、2017年)。最新刊は『給食の歴史』(岩波新書、2018年11月)。第1回日本ドイツ学会奨励賞、第1回河合隼雄学芸賞、第15回日本学術振興会賞を受賞。
目次
●この本を手にとってくださった方へ
●登場人物紹介
●この本ができるまで
〈第一の質問〉いままで食べたなかで一番おいしかったものは?
【解説1】なかなか言葉にならない「あの時のおいしさ」のこと
「おいしい」は一筋縄ではいかない
「おいしい」の三つのカテゴリー
「食べる」はネットワークに絡めとられている
【対話1】自分たちのあたりまえを考える「哲学」について
歴史研究という仕事
三輪トラックの荷台で食べたトウモロコシは最高!
自己紹介・ そらさんの場合
自己紹介・ ケイさんの場合
自己紹介・ 達兄さんの場合
自己紹介・ コーセイさんの場合
自己紹介・ リョウタローさんの場合
自己紹介・ シュンスケさんの場合
自己紹介・ アヤさんの場合
自己紹介・ ユータさんの場合/答えのない問いを立ててみる
〈第二の質問〉「食べる」とはどこまで「食べる」なのか?
【解説2】食べられる側の気持ちになってみること
解くのが困難な問い
キッチンシンクのパフォーマンスから見えてきたこと
食べものの気持ちになってみる
食べることについての二つの見方
【対話2】『食の哲学』という本をみんなで書くとしたら?
「食べる」と「入れる」の違いって?
人間の食と動物の食は同じ? 違う?
『食の哲学』の目次をつくる
「食べる」ってどこまでが食べるなの?
人間は「生きもの殺し装置」だった/人間はホラーなチューブなのだ
お昼休憩のコラム「くさいこと」と「おいしいこと」
〈第三の質問〉「食べること」はこれからどうなるのか?
【解説3】食べものから噛みごたえがなくなっていく未来のこと
食べることは煩わしいことか
ゼリーやムースのような食事
噛むこと、共に食べることの意味
無料食堂という試み
【対話3】答えを探すのではなく、みんなの「考える種をまく」
欲望の上に乗っかっているもの
完全栄養の食品はすごくマズい?
見せるために食べる
食べものは感覚や欲望の交差点
最後に一言ずつ感想を
【アフタートーク】からだに耳を澄ます
座談会を終えて
BSEと鳥インフルエンザの衝撃
わたしたちの世界の根底にある飢えへの恐怖
現代の日本にも飢えはある
趣味から歴史に入る
あたりまえのことを問い続けるスリリングさ
子どものほうが哲学の近くにいる
「人間とは何か」という山への登り方
身体感覚を伴う問いの大切さ
解説(詳細)
◆チラシはこちら
『食べるとはどういうことか』
■メディア情報
2020年1月10日NHKラジオ第一「すっぴん!」「源ちゃんのゲンダイ国語」で紹介。
【書評】NOSAI2019年7月『食べるとはどういうことか』