ふゆのおとずれ
2014年11月15日
園芸部長の和田さんから、またまたびっくりな写真を見せてもらいました。
雪虫です。
昨日、農文協の近くにある公園の階段の手すりにとまっていたのだそうです。
雪虫って、東北や北海道では「冬を告げる虫」と言われてよく見かけるようですが、東京でも見られるなんて。
そのふわふわした羽から、「雪虫」という呼び名がついていますが、本当の名前は「トドノネオオワタムシ」というそうです。
なんと、アブラムシの仲間。
その生態もアブラムシに近く、春、卵が生まれたあと、秋に雪虫になるまで、何度も世代交代をします。
どういうこと?
つまり、春に生まれた卵は、雪虫にはなりません。
???もっとわかりにくいですね。
雪虫は、春に卵で生まれたあと、こどもを産んで、その子がまたこどもを産んで…と繰り返し、秋の雪虫になるのです。
雪虫の一生(ざっくり)
【春】
卵から虫が生まれ、脱皮を繰り返して大きくなる。
ちなみに生まれるのは全部メスで、「幹母(かんぼ)」という。
【春の終わり】
幹母がこどもを産む。卵じゃなくて、虫を産む!
これも、全部メス。
こどもを産むと、幹母は死んでしまう。
【夏のはじめ】
幹母のこどもたちが脱皮して成長し、秋に見る雪虫にそっくりな「初夏の雪虫」になる。
【夏】
初夏の雪虫(幹母のこども)がこども(幹母の孫!)を産む。またまた、卵じゃなくて、虫を産む。
またまた、これもすべてメスで、羽はない。
この、幹母の孫も脱皮して成長し、またこどもを産む。さらにその子がまたこどもを産んで…どんどん数が増えていく。(全部、メス)
これは全部、木の根元、地面の下で起きていること。(木の根から樹液を吸って生きている)
【秋】
どんどん増えるなかから、羽を持つ虫がでてくる。これが、雪虫。
そして、こどもを産む。ここでやっと!メスとオスを産む。
生まれたメスとオスは、数日のうちに脱皮して成虫になり、交尾をし、オスはすぐに、メスも卵を産むと死んでしまう。
こうしてできた卵は、冬を越す……
なんてドラマチックないきざま!
(交尾をしないで生まれるこども、というのは、「クローン」と言ったほうがいいかも)
同じ日に同じ公園で咲き始めていたビワの花
「コスモスの花が咲くと マッタケが出始める」というように、
自然界の変化を利用して、季節の変化を知る「自然暦」がありますが、「ビワの花が咲き始めると 雪虫が飛ぶ」といった自然暦が関東でも生まれるかも?(な)
おすすめ本 〜今日の一冊〜
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