季節はずれのイチゴの実
2014年10月30日
イチゴに実がなりました。
露地でそだてるイチゴといえば、春に花が咲いて、初夏に収穫、というのがふつうでしたが、最近は、夏から秋にかけても収穫できる、四季成りの性質をもったイチゴが、ホームセンターなんかでもよく売られています。
しかし、屋上で実をつけたこのイチゴ、四季成りではなく一季成り。昔ながらの「宝交早生」という品種で、本当なら実をつけるのは初夏のはず。
サクラとかでもたまにいるよね、時期外れに咲いちゃう子……
ここでちょっとお勉強。
この「宝交早生」ちゃんが実をつけるためには、まず、花芽(その後、花になり、実になる芽)ができなくてはいけません。
花芽をつけるのに必要な条件は、気温や日長(一日の日の長さ)が関係していますが、東京の空の下にいる「宝交早生」ちゃんの場合、花芽をつける条件にあうのは、だいたい1月から3月と、9月から12月くらいと思われます。
花芽ができても、寒くて日が短いと実にならずに眠ってしまうので、秋に花芽をつけても、実にはならずに眠るはずなのです。
それじゃ、なぜいま??
もしかすると9月に花芽がついて、その後ふつうなら眠るところを、あったかい日が続いたために、実が結んでしまった、ということなのかもしれません。
10月もなかばまで暑い日があったし……
もしかしたらそうかもしれないけど、もかしかすると全然的外れかもしれません。本当のことを知っているのは、イチゴだけ。
思いがけず甘い実にありつけ、はりきったと思われる虫。なんでしょう。アワノメイガの幼虫?
でも教科書とちがうことがおこったとき、なんでかなーと考えるのは楽しいものですね。(な)
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