書誌詳細情報
森林と菌類
森林科学シリーズ 10

書誌詳細情報
森林科学シリーズ 10
森林と菌類
この本のジャンル
- 農業書センターおすすめ >> 農業 >> 林業・狩猟
解説
森林生態系において菌類は,分解者としてだけではなく,共生者,寄生者など様々な役割を果たす重要な生物群である。しかし,その存在が森林へ及ぼす影響や,森林変化が菌類に及ぼす影響については,十分に理解,認識されているとは言い難い。また,推定種数500万種以上とも言われる菌類は,その膨大な多様性と研究者の不足から,すでに生物多様性研究から取り残されつつある。こうした遅れを補いつつ,その先の菌類生態学の大系化へとつなげるためには,これまでの記載的な研究だけではなく,新しい方向性や技術を取り入れた,様々な生態学的研究の蓄積が急務となっている。本書は,その足掛かりとなるように,森林の変化が菌類にどのような影響を及ぼすのか,そしてどのような菌類が森林にどのような変化をもたらすのかを,森林変化の要因である森林利用,人為の影響,気候変動との関連から,具体的なデータや論文を引用しながら紐解いてゆく。本書は十分に大系化されたものではないため,教科書としての使用は推奨できない。しかし,これまでの菌類の教科書とは異なる視点でまとめおり,最終的には森林生態系を理解するための,菌類学と森林生態学との接点となることを期待している。
同じジャンルの本をさがす
- 農業書センターおすすめ >> 農業 >> 林業・狩猟