書誌詳細情報
農業法研究55

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農業法研究55
この本のジャンル
解説
福島県の59全市町村の住民を含む約4000人が起こした集団訴訟「生業訴訟(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟)」では、「ふるさと」を「各人の享受してきた自然環境を前提に、家庭生活、自己の生業、知人友人との人間関係などの諸要素によって構成された、その人らしい生活を営むための基盤の総体」としたうえで、東電と国に損害賠償と原状回復を求めている。本シンポジウムは、放射能汚染によって「なりわい」と「ふるさと」が失われた福島から、食と農の力によってそれらを取り戻そうとする地域の営みを報告するものである。
目次
1.福島農業の復興・再生に向けた現状と課題―震災・原発事故8年を経過して
塩谷弘康(福島大学)
2.大震災後の福島県における農地利用と集積の新動向―「帰還」地域での農業法人の形成を中心に― 荒井 聡(福島大学)
3.福島の営農再開支援の小考察―福島の挑戦は日本の農業の未来をつくる
石井秀樹(福島大学)
4.飯舘村「農」の再生に向けて 杉岡 誠(飯舘村復興対策課農政第一係長)
5.浪江町における食と農の再建の模索
石井絹江(石井農園・浪江町農業委員)
6.持続可能な環境・循環・共生の社会をつくるために―野良に子どもたちの歓声が響く里山の再生
菅野正寿(NPO法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会・遊雲の里ファーム主宰)
総合討論
U 日本農業法学会2019年度研究会
1.地域政策としての「地域おこし協力隊」の制度と現実――愛媛県下の制度導入、自治体と隊員の実態調査 藤井孝哉(松山大学大学院経済学研究科院生)
2.森林関係法令の最近の動向について 渡邊 毅(農林水産省生産局畜産部長、前林野庁林政部長)
V 動向
1.学界動向 長 友昭(拓殖大学 亀岡鉱平(農林中金総合研究所)三木敦朗(信州大学)
2.農林水産業に関する立法動向 澤本貴洋(農林水産省大臣官房文書課)
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