書誌詳細情報
シリーズ田園回帰8 世界の田園回帰

書誌詳細情報
シリーズ田園回帰8 世界の田園回帰
この本のジャンル
解説
日本では若い世代の農山村移住傾向がみられる一方で、首都圏の人口シェアは高まり続けている。一方、フランス、ドイツ、イタリア、英国などの先進国では1980年代頃から都市部への人口集中は緩和され、「逆都市化」の動きもみられる。スウェーデン、オーストリア、カナダ、、米国、ロシア、キューバ、韓国を加えた11ヵ国の田園回帰と農村再生の動きをとらえ、日本での展開と比較しつつ、新たな都市-農村関係を展望する。
著者
【シリーズ総括】大森彌(東大名誉教授)、小田切徳美(明治大学)、藤山浩(島根県中山間地域研究センター)
【海外編】フランス:石井圭一(東北大学)、羽生のり子(フリージャーナリスト) ドイツ:市田知子(明治大学) イタリア:大石尚子(龍谷大学)、蔦谷栄一(農的社会デザイン研究所) 英国:木下剛(千葉大学)、井原満明(地域計画研究所) オーストリア:三浦秀一(東北芸術工科大学) スウェーデン:小内純子(札幌学院大学) 北米:西山未真(宇都宮大学) ロシア:豊田菜穂子(フリーライター) キューバ:吉田太郎(長野県農業大学校) 韓国:大前悠(元京大院)
目次
第T部 日本の田園回帰 総括と展望
第1章 田園回帰の意味するもの――共生の思想と地域の自治 大森彌(東京大学名誉教授)
第2章 日本における田園回帰――視点の整理とシリーズ各巻の位置づけ 小田切徳美(明治大学教授)
第U部 田園回帰をめぐる世界の動き
第1章 【フランス編】
小さなコミューンが地域自治と田園回帰に果たす大きな役割
石井圭一(東北大学)
[コラム]「百姓」になりたがるエリートたち 羽生のり子(ジャーナリスト)
第2章 【ドイツ編】
「再都市化」の中での田園回帰 市田知子(明治大学)
第3章 【イタリア編】
農村における創造的暮らし――ひとと地域を育む「ものづくりコミュニティ」
大石尚子(龍谷大学)
[コラム]地域へのこだわりと誇りが醸し出す農村の魅力
蔦谷栄一(農的社会デザイン研究所)
第4章 【英国編】
田園回帰による田園らしさの喪失をいかに回避するか?
木下剛(千葉大学)
[コラム]コミュニティ再生の事務局を担う移住者たち
井原満明(株式会社地域計画研究所)
第5章 【諸国探訪編】この国のここに注目したい
オーストリア 森の農民が再生可能エネルギーの担い手となる
三浦秀一(東北芸術工科大学)
スウェーデン “過疎地"における地域再生運動 小内純子(札幌学院大学)
北米 ローカルフード運動の深まりによるコミュニティ再生―消費者からフードシチズンへ 西山未真(宇都宮大学)
ロシア 菜園つきセカンドハウス=「ダーチャ」のある暮らし
豊田菜穂子(ライター・翻訳家)
キューバ 都市農業は生き残れるか 吉田太郎(キューバ農業研究家)
韓国 自給的農業を営む帰農者たち 大前悠(元京都大学大学院)
終章 長続きする文明のあり方と田園回帰 藤山 浩(島根県中山間地域研究センター)
解説(詳細)
【関連書籍】
「シリーズ田園回帰1 田園回帰1%戦略」
「シリーズ田園回帰2 総力取材 人口減少に立ち向かう市町村」
「シリーズ田園回帰3 田園回帰の過去・現在・未来」
「シリーズ田園回帰4 交響する都市と農山村」
「シリーズ田園回帰5 ローカルに生きる ソーシャルに働く」
「シリーズ田園回帰6 新規就農・就林への道」
「シリーズ田園回帰7 地域文化が若者を育てる」
読者カード
■朝日新聞6/11書評 評者:京都大・諸富徹先生「過疎→消滅」にしない取組み」 諸外国の(魅力的な取り組み)事例に共通するのは、「お上」に依存せず、人々が企業家的な精神で所得と雇用を創出しようと試みている点。都会とはまったく異なる魅力の創出に成功している。「人口減少=地域消滅」では決してない。本書は地域の運命が、我々自身の手に握られていることを改めて再認識させてくれる点で、まさに希望の書である。」