書誌詳細情報
ポストTPP農政(農文協ブックレット9)

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ポストTPP農政(農文協ブックレット9)
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解説
生産調整廃止や定額・変動補助金の縮小・廃止、日本型直接支払い、農地中間管理機構の創設などを柱とする今回の農政転換は、むき出しの多国籍企業の行動原理がすべての領域に浸透し始めた段階の「ポストTPP、またはTPP先取り農政改革」であり、国民的財産としての食料・農業・農村を破壊する誤った政策であることを明らかにする。同時に、農村現場に現れ始めている、アベノミクス農政とは逆の、新しい動きも紹介。地域の潜在力を活かす農業・農村・食料政策のあり方を提唱。
目次
●PART1 ポストTPP農政の展開構図
一 「戦後農政の総決算」の構図
1.政権交代と農政「改革」
2.農政「改革」の前提としてのTPP
3.農林水産業・地域の活力創造プラン
二 「ポストTPP農政」の諸相
1.生産調整政策
2.米生産コスト4割削減
3.農地中間管理機構
4.日本型直接支払い
5.日本の農業構造をどう描くか
三 「ポストTPP農政」と農協
1.農協に吹く逆風
2.JA全国連の動向
3.被災地を含めた農協の事業・組織を考える
●PART2 「活力創造プラン農政」と地域政策
一 「活力創造プラン」と地域政策の論点
1.「活力創造プラン農政」とその背景
2.「活力創造プラン」の構成と地域政策
3. 二つの「地域政策」-本稿の課題
二 農業地域政策としての多面的機能支払い
1.「活力創造プラン」と地域農政
2.多面的機能支払い形成の経緯
3.多面的機能支払いの仕組み
4.多面的機能支払いの内実
5.多面的機能支払いとの論点と課題
6.法制化に向けた検討課題
三 アベノミクスと農村地域政策
1.「活力創造プラン」の農山漁村地域振興策
2.農山漁村地域再生の戦略
3.「活力創造プラン」の農村地域政策の課題
4.アベノミクスと農山漁村再生
四 おわりに
●PART3 食料主権を担保する論理と政策理念
一 「低価格志向」は消費者の本性か?
二 「食料安全保障」の概念を掘り下げる
1.生きる基本の大原則が実現できていない現代世界
2.政治課題化した食料安全保障と悪化するその現実
3.食料安全保障四つの側面
三 食料価格ショックと食料の国際需給動向
1.食料価格高騰が常態化した2000年代
2.食料価格高騰のインパクトと人類社会の格差拡大
3.小農やジェンダー、子どもたちにも広がる食の貧困
四 過剰基調から逼迫化に転じた食料需給と食農資源問題の先鋭化
1.食料価格ショック発生の諸要因
2.アメリカのエネルギー政策法と食料競合
3.見え始めた食料供給要因のさまざまな限界
五 ランドグラブの進展とモザンビーク・プロサパンナ地域にみる農業投資の実態
1.世界的規模で起こり始めた水・土地・環境収奪
2.基本的な生存権を侵害されるプロサバンナ計画下のモザンビーク農民と安倍政権の立ち居振る舞い
六 食料主権を侵害するTPPと新自由主義
1.もとめられる連帯と持続性(共生原理)のフードレジームへ
2.相容れない食料主権と新自由主義・TPP
3.TPP=「のっぺらぼうな食」が世界を席巻する非文化の世界
4.過剰時代の遺物=WTO農業協定の根本改定へ
七 国連・国際家族農業年の趣旨を広く共有し、持続性に重点をおく草の根からの世界的な運動を
解説(詳細)
【関連書籍】
「グローバリズムの終焉」