書誌詳細情報
富士山は里山である

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富士山は里山である
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解説
世界遺産・富士山が注目されるのは五合目より上だが、富士山麓はあらゆる農業の種類が揃った、豊かな農業地帯なのである。本来は山麓も含めて文化遺産として残すべき。この富士山麓を9つの地区に分けて章構成し、それぞれの章の冒頭に「その地区の特徴的な景観と富士山」というテーマの印象的な写真を見開きで置き、その写真を読み解く形式で、それぞれの地区の「人間と自然との関わり」を見ていく。このように地図や写真を豊富に配置して、富士山麓の風土をビジュアルイメージとしてつかめるように工夫した。
著者
中山正典(なかやま まさのり)
昭和32年、静岡県磐田市生まれ。博士号取得。現在、静岡県立浜松湖東高等学校副校長、静岡大学情報学部非常勤講師。静岡県教育委員会文化課専門監であったとき、富士山の世界遺産登録の申請に関わる。
目次
はじめに
T 富士山の景観から読み取る人と農業
1.野焼きがつくり出す畑作空間―富士山西麓・根原地区(静岡県富士宮市)
2.フジマサを砕いて牧草地に改造―富士山西麓・朝霧高原(静岡県富士宮市)
3.沢を渡る用水の不思議―富士山南麓・北山地区(静岡県富士宮市)
4.せめぎ合う茶畑とヒノキ林―富士山南麓・富士本地区(静岡県富士市)
5.オオノッパラは堆肥の宝庫―富士山南東麓・須山地区(静岡県裾野市)
6.冬の耕地に水を引いて菜っ葉を栽培―富士山東麓・阿多野地(静岡県小山町)
7.「内野モロコシ」で名を上げた畑作地帯―富士山北麓・印野地区(山梨県南都留郡忍野村)
8.富士山の農鳥が見える水田―富士山北麓・新屋地区(山梨県富士吉田市)
9.高原野菜の名産地から見える農鳥―富士山北麓・鳴沢・太田和地区(山梨県南都留郡鳴沢村)
U 生業空間としての富士山麓
1.富士山麓の生業と景観
2.富士山という景観の多様性
おわりに