書誌詳細情報
進化する雑穀 ヒエ、アワ、キビ

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進化する雑穀 ヒエ、アワ、キビ
この本のジャンル
解説
今では文化史的にしか語られなくなったヒエ、アワ、キビ。しかしその実力はピカ1! 本書は伝統的な手作り農具による雑穀栽培はもちろん、水稲用の田植機による水田への移植、畑への移植、バインダーを改良した収穫機など、安定300kgを実現する省力多収の小型機械化栽培、営農集団で可能な大型機械化栽培を詳述。さらに、あまり書かれることのなかったヒエ、キビ、アワの生理生態を明らかにし、注目される栄養と健康機能性、加工・商品化までトコトン追及。
著者
星野次汪(ほしのつぐひろ)
岩手大学名誉教授。世界初のモチ性コムギやモチ性ヒエなどを育種した行動的研究者。元農研機構部長。
武田純一(たけだじゅんいち)
岩手大学教授。農業機械が専門で、中山間地の農家の声をくみ上げた機械開発に取り組む
目次
●第1章 ヒエ・アワ・キビ 過去-現在-未来
<1>これまで そして これから
1.「雑穀」とはなにか
2.雑穀が果たしてきた役割
3.雑穀の可能性を現代にみる
4.モノとして売るための雑穀
<2>日本と世界 雑穀の今
1.世界の雑穀生産と利用
2.日本の雑穀生産
3.雑穀の輸入と市場
●第2章 ルーツと魅力 起源および生理生態と、栄養・品質特性
<1>雑穀の起源、生態・形態・生理
1.ルーツはアジアとアフリカ
2.生理と形態、開花特性
<2>多様な在来種の特性をさぐる
1.ヒエ 在来品種一五三種の特性
2.アワ 在来品種一一五種の特性
3.キビ 在来品種四二種の特性
<3>雑穀の成分と品質
1.ミネラルと食物繊維リッチな雑穀成分
2.雑穀が秘めた抗酸化能
3.搗精歩合と品質
<4>雑穀の精白法と調理・料理
1.伝統的精白法
2.ブレンドが中心だった雑穀の調理
3.ヒエとコメのブレンドの条件
4.餅の作り方
5.コメとブレンドしたヒエ、アワ、キビの食味
<5>未来を拓く新品種たち
1.着眼点は「粘り」と「作りやすさ」
2.世界初となるモチ性ヒエ「長十郎もち」の誕生
3.短稈のモチ性ヒエ「なんぶもちもち」
4.低アミロースの早生「ゆめさきよ」
●第3章 栽培の実際
<1>省力300kgどりのポイント
1.適正な発芽苗立ちの確保
2.早めの除草-「走り草七人前」
3.病害虫の防除
<2>ヒエ
1.ヒエ栽培の基礎知識
2.栽培の実際(畑での直播栽培法)
<3>アワ
1.アワ栽培の基礎知識
2.栽培の実際
<4>キビ
1.キビ栽培の基礎知識
2.栽培の実際
<5>今ある機械を活かした省力栽培
1.作業別の機械化体系
2.水田への移植栽培法
3.畑への移植栽培の可能性
●第4章 雑穀の未来へ
<1>原料から製品へ 製品から商品へ
1.雑穀のこだわりをいったん横に置いて
2.エンドユーザーからの三つの視点
3.飽きのこないよさを生かして
4.新雑穀新商品開発の現状
<2>雑穀が紡ぎだす地域社会のきずな
住民総出の「水車まつり」
スローフードによる地産地消を目指す
暮らしも経済も「ぎばって足沢・70の会」
新興産地のハイテク雑穀生産と雑穀料理
200年続くあわ饅頭を地元産アワで
やってみんかな雑穀栽培
過去の作物から今日の作物へ
<3>雑穀をとおしたおばあちゃんと学生との交流から-本当の食農教育
1.参加した学生がもらった宝物
2.おじいちゃん先生・おばあちゃん先生
3.社会人になって思うこと-卒業生たちからの手紙
解説(詳細)
■関連書籍
「新特産シリーズ 雑穀」
「農家が教える雑穀・ソバ 育て方・食べ方」
「転作全書 第3巻 雑穀」
「アワ・ヒエ・キビの絵本」
「みうたさんのからだにやさしい雑穀レシピ」