書誌詳細情報
トマト オランダの多収技術と理論

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トマト オランダの多収技術と理論
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解説
植物生理に基づいた綿密な環境制御による高収量栽培技術。植物の生育を最大化させるための、光、CO2、湿度、温度、風、養水分などの環境要因を統合的に判断してハウス内の各種機器を制御して最適な環境を創造する統合環境制御から高収量品種、光利用率の高い施設など。1%理論や飽差などキーになる用語に注釈をつけた。閉鎖型温室、生長点加温など原著発刊以降の研究もフォロー。
著者
エペ・フゥーヴェリンク(Ep.Heuvelink.)
オランダ・ワーゲニンゲン大学。
目次
<オランダの最新のトマト生産と本書の意義>
1 急上昇している収量と生産性
2 急成長の要因と最近の動向
多収品種と高密植栽培
生産性の高い栽培施設
環境制御技術
半閉鎖型ハウス
CHP
補光
コンピュータの利用――統合環境制御システム
病害虫防除
光合成を最大に活性化させる植物体管理
本章
●第1章 作物としてのトマトとその産業
作物としてのトマト
現時点における世界のトマト産業概況
トマト産業の将来展望
●第2章 トマトの遺伝資源と育種 P. Lindout
トマト属の遺伝的多様性
トマト近縁種の多様性と活用
遺伝資源の収集と保存
細胞遺伝学の成果
分子生物学的な連鎖地図
DNAマーカーの育種への応用
連鎖地図に基づくクローニング
育種の歩み
育種目標
種子生産
●第3章 発育過程
発芽
葉の出現と生長
茎の発育
根の発育
花芽分化と発達
花の発育――受粉と着果
果実の発育
●第4章 トマトの生長と収量
乾物生産
作物と果実の生長
乾物の分配
果実の発育と乾物含量の変動
作物生長モデル
●第5章 果実の成熟と品質
成熟の分類
果実成熟度の測定
呼吸とエチレンのクライマクテリック
品質と熟度,温度
品質を左右する要素
ビタミン
生理障害と果実の品質
遺伝的改良
●第6章 灌水と施肥
水質
給液の指針
施肥
養分の欠乏と過剰
灌水と施肥による生育調節
灌水と施肥に関連した生理障害
●第7章 病害虫管理
雑草防除
線虫
昆虫とダニ
食害する害虫
吸汁する害虫/
マトの病害
ハウス栽培トマトで発生する病害虫の総合的管理
●第8章 露地栽培
栽培温度と期間
圃場の準備
育苗と定植
マルチと被覆
施肥と栄養管理
灌水
栽培管理のポイント
収穫と調整の流れ
●第9章 グリンハウストマト生産
産業としての重要性
生産コスト
生産性の高いハウスの構造
作型と栽培計画
苗の生産
栽植密度と光強度に基づく側枝利用
品種
栽培管理
固形培地とそれを利用した生産システム
養分と給液
環境制御
二酸化炭素(CO2)
光強度と補光,遮光
空気中の汚染物質
病害虫管理
収穫と販売
年間単収100tの可能性も
●第10章 ポストハーベストの生理学と収穫作業
収穫
パッケージング(包装)
成熟制御
解説(詳細)
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「高品質・高糖度のトマトつくり」
「クッキングトマトの栽培と利用」
読者カード
書評より
■日本種苗新聞2012年3月31日号 『トマト オランダの多収技術と理論』
幕末明治期の「解体新書」を読んだのと同様、いま真剣に読むべき書。