書誌詳細情報
日本農書全集50 農産加工1 製油録・甘蔗大成・製葛録・他

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日本農書全集50 農産加工1 製油録・甘蔗大成・製葛録・他
この本のジャンル
解説
近世最大の農業ジャーナリスト・大蔵永常の農産加工技術書の三部作(油、甘蔗、葛)と鎖国下の唯一の輸出品・俵物(干しあわび、干しなまこ、ふかひれ)などの製法を記した『唐方渡俵物諸色大略絵図』。
解説(詳細)
●「〈総合解題〉近世経済を担った農産加工業――資源活用型の等身大技術」佐藤常雄
近世には、高度な資源活用型の農産加工業があった。加工技術の進展と販売ネットワークによって生産物の付加価値が高まり、国内経済は活性化した。近代の開幕を用意した農産加工業を支えた農書群の歴史的意義を説く。
●「製油録」大蔵永常
永常の前著『油菜録』が栽培について述べるにとどまり、搾油法には触れていなかったので、それを補う意味で刊行したもの。綿実の搾油法にも触れている。その技術は現代にも通用する。(翻刻・現代語訳 佐藤常雄)
●「甘蔗大成」大蔵永常
さとうきびの導入と栽培技術を麦や菜種の間作として、現場の農民の実際的な立場から説く。製糖技術としては中国渡りの伝統的な方法と讃岐流の新しい技術を重層的に述べている。(翻刻・現代語訳 岡 俊二)
●「製葛録」大蔵永常
葛は葛粉をとる素材として、また薬としても利用でき、茎からは糸をとって布に織ることができるという重宝な植物である。本書は葛粉のとり方、葛布の製法を図解入りで説明している。(翻刻・現代語訳 粕渕宏昭)
●「唐方渡俵物諸色大略絵図」(杉浦忠三郎)
中国への輸出海産物である俵物(煎海鼠=干しなまこ、干しあわび、ふかひれの3点)と諸色(昆布など俵物以外の干物)の製法や規格を彩色図入りで解説したもの。(翻刻・現代語訳 田島佳也)