書誌詳細情報
日本農書全集45 特産1 名物紅の袖・他

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日本農書全集45 特産1 名物紅の袖・他
この本のジャンル
解説
江戸期農民の衣食住全般にわたる再生産の姿を示す農書を全国から発掘し、精選収集。近世の経済システムを活性化した特産物=紅花、藍、煙草、朝鮮人参、海苔、油菜、椎茸等の指南書7点。
解説(詳細)
●「名物紅の袖」後藤小平次
羽前最上の紅花は、諸国特産物番付の東の関脇に上げられ、全国の7割5分を占めた特産物。その紅花の栽培から取引、加工、京への輸送にいたる様子を詳細に紹介した貴重な文書。(翻刻・現代語訳 野口一雄)
●「あゐ作手引草」藤井行麿
藍の最大の特産地は阿波徳島だが、本書は藍作を備後福山地方へ普及させようとして出版されたもの。栽培法を絵入りで紹介し、同地方における藍作普及に大きな役割を果たした。(翻刻・現代語訳 宇山孝人)
●「油菜録」大蔵永常
油菜(あぶらな、なたね)は、灯油・食用油・肥料の原料として欠かせないものになり、農民にとっては換金作物として重要な作物となった。その栽培法を絵入りでくわしく紹介した刊本。(翻刻・現代語訳 佐藤常雄)
●「五瑞編」佐藤成裕
世界最初のしいたけ栽培専門書。殖産興業、地方活性化を目的に、各藩に招かれて栽培伝授の様子、日本各地のしいたけ栽培の方法、乾燥法の特徴が克明に書かれている。(翻刻・現代語訳 中村克哉)
●「海苔培養法」高木正年
江戸湾における海苔養殖の技術書。品川の地先の海域で得た海苔の知識を基礎に、海苔養殖の将来性や経済性までを説き、江戸湾(東京湾)における「浅草海苔」の産地化の土台を築いた。(翻刻・現代語訳 北村敏)
●「煙草諸国名産」三河屋弥平次
江戸の町・九段で煙草屋を営む狂歌好きの著者が書いた煙草産地・品質・価格・効能から喫煙マナー・外国事情にいたる煙草百科。(翻刻・現代語訳 湯浅淑子)
●「朝鮮人参耕作記」田村藍水
幕府はすべて輸入に頼っていた朝鮮人参の国産化政策を進め、その栽培と調製にくわしい幕府医官・藍水を登用した。本書は栽培の普及を目的にした技術書で、基本は現代にも通じる。(翻刻・現代語訳 斎藤洋一)