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作物にとってケイ酸とは何か

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作物にとってケイ酸とは何か
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解説
土に豊富に存在し、しかも過剰害が出ないケイ酸。作物の耐病虫害性を高めるそのユニークな働きが環境保全型農業の中で期待され、注目を集める。分子細胞レベルで進む最新研究の動向と、生物進化の中での役割を解説。
目次
序章 ケイ素という元素
<前編 農の場におけるケイ素>
<1>「ケイ酸質肥料」の誕生と多様化
1.日本でケイ酸が肥料になったわけ
2.ケイ酸供給の役割を果たしていたイナワラ堆肥
3.いろいろなケイ酸質肥料の登場
4.ケイ酸質肥料とイナワラ堆肥のちがい
<2>ケイ酸施肥はどこまで有効か
1.ケイ酸施肥の要否の目安
2.効果のみられる水田土壌
3.畑作物に対する効果
4.諸外国における事例
5.ケイ酸施肥の経済効果の試算
<3>ケイ酸地力を考える
1.窒素地力とケイ酸地力
2.ケイ酸地力の給源
3.ケイ酸地力の解放要因
4.水田におけるケイ酸の収支からみたケイ酸地力の変化
<後編 生物体(植物、動物、微生物)におけるケイ素>
<4>作物のケイ酸吸収態のしくみの探究
1.植物の元素組成は何を物語るか
2.ケイ酸植物の系譜をさぐる
3.水耕による研究-外堀を埋める努力
4.ケイ素の同族元素ゲルマニウムの利用
5.ケイ酸トランスポーターの発見
6.ケイ酸の輸送と沈積
<5>作物にとってケイ酸とは-植物栄養素としの位置づけ
1.ケイ酸がないと作物はどうなるか
2.ケイ酸の効果があらわれる条件
<6>ケイ素を集める生きものたち-生物進化とケイ素
1.生物がつくった岩石
2.生物の石灰化とケイ質化
3.魚の世界をささえるケイ藻とケイ酸
4.生物によるケイ素の再分配
<7>ケイ酸研究の昨日、今日、そして明日-あとがきにかえて