書誌詳細情報
少年犯罪 からだの声を聴かなくなった脳

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少年犯罪 からだの声を聴かなくなった脳
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解説
衣食住遊、情報などに変容されてきた意識。その基底にあるからだと脳(心)の関係から本質に迫る。
「いじめや少年犯罪をめぐる議論に見落とされていた視角を提供する」(かこさとし「推薦のことば」より)
「社会問題を[からだ]という自然から論じた新たな労作」(小原秀雄「解説」より)
解説(詳細)
序章 からだ感覚の喪失が他者認識の欠落をもたらしている
1章 いじめや少年犯罪とからだの変容
大人社会の歪みの反映
明治政府によって「加工」された身体
軍隊の「いじめ」も子どもの「いじめ」も身体の造反
事件史から見た「いじめ」の変容
見捨てられた身体
肉体に反映した精神のドラマ
2章 モノとからだ
着衣と履物と身のこなし
現代人の清潔志向と快適商品
からだの脆弱化と過敏症
肝臓の機能低下と「いじめ」
こころとからだを蝕む経済食品
胎児の環境としての母体の内部崩壊
モノをつくればゴミが出る、この世はすべてバランス
ほんとうの敵はどこにいるのか
「一気飲み」の集団力学とからだの相克
3章 視覚偏重型社会の危うさ
からだが心を規定する
大脳の未発達と歩き方の崩れ
見ているものしか見えない現代人
コントロール不可能なからだこそ自然
人間はそれぞれ違うのだという認識を
あるがままの自分を受け入れられるか
悪い意味での動物に戻りつつある人間
4章 からだが脳に人工化されていき……
浪費をつくり出す人々
欲望と呪縛
郊外住宅と王様になっていく子どもたち
日本人の身体感覚を変えたもの
食文化の崩壊
“ケータイ人間"の言葉と身体
知能の発達について
身体の人工化と五感喪失
5章 身体の自然をとりもどすには
生命の本質とは何か
呼吸(息)とからだのあり方
食べることは五感を養うこと
運動(スポーツ)は必要か
社会を漂流する「孤人」たち
6章 今おとなは、何を子どもに示すべきか
外形から内面を観る眼を養うこと
友だち家族から、子どもの自我は芽生えない
自分の過去を否定した親から、子どもの溌剌さは育たない
流行としての健康を求めるのではなく、眼に見えない「生きる力」を感じとること
からだは脳の下僕しもべではない