書誌詳細情報
世界の食文化18 ドイツ

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世界の食文化18 ドイツ
この本のジャンル
解説
1500種ものソーセージ、130品種ものジャガイモ、1600種ものパン。ゲルマンの魂がやどるドイツ料理は地域色が豊かだ。ドイツの食文化の源流をさぐり、ドイツ各地域の郷土料理を紹介するおいしいドイツの本。
解説(詳細)
はじめに─ジャガイモとソーセージの国?─
ドイツといえばジャガイモ?/旅行ガイドの評価/「先進国」か「後進国」か/ドイツでも「美味しい」経験/生活文化の中での食と住/ヨーロッパの南と北のちがい/食物を通じて国や地域のイメージを表現する/多様なドイツの食文化
第1章 ドイツ料理とは何か
1 ドイツ料理の素材と地域的多様性
パン/小麦粉製品/豚肉/ソーセージ・ハム/魚/ジャガイモ/野菜類/果実類
2 ドイツ各地域の郷土料理
北ドイツ/北西ドイツ─ヴェストファーレン地方/シュヴァーベン地方/バイエルン地方/ベルリン・ブランデンブルク地方
第2章 ドイツの食文化の源流
1 ゲルマンの伝統を継ぐ食文化
2 中世の食の世界
3 中世から近世へ
4 新しい食物の登場
第3章 ジャガイモとコーヒー─ドイツ的食文化確立への道─
1 ジャガイモの登場と定着への道
ドイツへの伝播/ジャガイモ普及への障害/普及のための啓豪活動/定着と拡大/ジャガイモの国民食への道
コーヒーが国民的飲料となるまで
ドイツへの伝播/コーヒー禁令/コーヒーの浸透における地域差/代用コーヒーの役割
第4章 食卓の近代化─ドイツにおける食の革命
1 19世紀の「食生活革命」
食品工業の発達/数量的把握
2 庶民レベルの食生活
家計調査からみた食物摂取量/調査結果の数値/数値の解釈/労働者層内部の較差
3 具体的な食事風景
第5章 飢餓から飽食へ─20世紀ドイツの食卓─
1 20世紀前半の食生活─戦争と経済混乱による食生活の危機─
第一次世界大戦と食料供給/戦時下の食生活/戦時中の栄養状態/戦後の混乱と相対的安定/1920年代の栄養レベル/ナチス支配から第二次世界大戦へ
2 第二次世界大戦後の食の変化─経済成長と大衆消費の時代─
廃墟の中の食生活/通過改革から復興へ/1950年代の「大喰らいブーム」/食文化の新しい傾向─1960/70年代
第6章 現代ドイツ食文化事情
1 ドイツは今、何を食べているのか
現代の調査資料/食事の基本をなす食品/食卓の変化/嗜好品の消費─アルコールやコーヒーなど─/栄養面からドイツの食生活を評価すると
2 ドイツの食にあらわれた新しい傾向
健康志向のかたまり/ダイエット志向/食の国際化
おわりに─ドイツの食文化のゆくえ─
「軽さ」への志向/食の多文化主義/スシにみる未来の食
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■著者
南 直人(みなみ なおと)
1957年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科修了。大阪国際大学教授。著書に『ヨーロッパの舌はどう変わったか─19世紀食卓革命』(講談社)、『日常と犯罪─西洋近代における非合法行為』(共編著、昭和堂)などがある。