書誌詳細情報
日本農村の構造転換を問う

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日本農村の構造転換を問う
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解説
高度成長下に始まった農村労働力の都市への地すべり的移動、農業の衰退…。農村は変化しつつイエやムラという従来のシステムを再編してその状況に対応。諸局面から1980年代以降の農村の構造転換の特質を明確にする。
解説(詳細)
いま、日本農村の構造転換を問うとは
はじめに
一 テーマ・セッションの問題意識
二 テーマ・セッションの基本的視点
三 本書の構成と概要
四 イエは再構築されるか
五 構造転換とムラ
六 残された課題
結びに代えて
現代日本の村落におけるイエの再構築
はじめに
一 単線的な近代化のパラダイムへの批判
二 イエに対する二つのアプローチ:親族組織アプローチと生活集団アプローチ
三 近世における「小農」の成立:時代差と地域差
四 イエと「家父長的」性格
五 山形県庄内地方の事例:一九七〇年代後半から一九九〇年代後半まで
六 地域的特殊性と一般性:稲作と地域労働市場の展開
おわりに:単線的な近代化論を越えて
阿蘇の草原をめぐる人びととむら
一 問題の所在
二 草原をめぐる「環境問題」の構図
三 「生産」を根拠にとらえたむら
四 「責任」を根拠とした土地との結びつき
農村高齢化と地域生活構造の変動
一 高齢化の進行と過疎農村
二 過疎地域の世帯の現状
三 安心感ある生活再編
四 ふれあいハウスの意味
五 過疎農山村社会における高齢者の生活
「戦後農政」の転換と農村活性化政策
一 はじめに
二 「戦後農政」の起源と構造
三 「戦後農政」の転換と集落の活用
四 「むらづくりの推進」とそのビジョン
五 おわりに
戦後農政の視座
一 二〇〇〇年大会のテーマ設定意図と経過
二 戦後農政の画期
三 二〇〇〇年大会における「二〇世紀農業・農村の総括と課題」
四 玉真之介報告にみる一九八〇年代以降の日本農政
日本農村の構造転換と村落社会研究の課題
はじめに
一 日本農村の構造転換はどのように捉えられていたのか
二 社会変動分析からみた一九八〇年代
三 愛媛県の地方自治体における人口移動と村落社会の変化
四 日本農村の構造転換とこれからの農村社会研究の課題
女性地域リーダーにみる「構造転換」その後
一 はじめに
二 女性・地域・リーダーシップ
三 長野県池田町女性農業委員をめぐる時代性
四 おわりに
農業経済学の研究動向
一 進展するフードシステム研究
二 中国の農業とセーフガード
三 多面的機能の現在
四 農業経済学・農業政策の捉え返し
社会学・農村社会学の研究動向
一 むらとは何か
二 むらとは何か
三 むらの変容のなかで家・家族をどうとらえるか
四 むら論からの展開
五 その他
文化人類学における東アジアの最近の研究動向
一 はじめに
二 韓国における村落社会の研究動向
三 中国・香港・台湾における村落社会の研究動向
四 まとめにかえて
■著者
蘭信三(京都大学人間環境学研究科)、永野由紀子(山形大学人文学部)、藤村美穂(佐賀大学農学部)、高野和良(山口県立大学社会福祉学部)、玉真之介(岩手大学連合大学院農学研究科)大川健嗣(山形大学人文学部)、中道仁美(愛媛大学農学部)、藤井和佐(奈良女子大学)、家中茂(沖縄大学地域研究所)、矢野敬生(早稲田大学人間科学部)